サブタイトル

Copyright free.

ネット時代だから書きたいこと

インターネット上に公開している身として、書いておきたいことが有ります。


■インターネット時代
昨今、まさしくインターネット時代です。
10年、20年で変化していく姿を目の当たりにした世代として、「インターネットが当たり前の世代」との違いを大きく感じます。

その世代の特徴として、
・ネットを使うことが前提
・調べること=Google
・相対的かも知れませんが、人に聞かない(時間のかけ方?十分と思ってる?)
・周囲もそうだからそうなんだろうと疑わない
という特徴が有ると思います。

さらに、例えば「良い音」に関して言えば、
「良い音」「良い機材」をネット上で検索して、
その背景なんかを、「知識として」知っていたりします。
が、その実物を、「一度も弾いたことが無」かったりします。

実物を知らないばかりか、
それをシミュレートしたニセモノ(あえて書けば)の動画をYoutubeで見て、
「*は*より**だ」と論じている場合も有ります。

酷い場合には、その動画に気に入らなければ、
何の意味も、誰の助けにもならないコメントを残して行きます。
本人は、何もやらないのに、です。
かつてより、自意識だけは一人前と言いますか・・・


■ネット上の情報とその特性
プロは、より貴重な、深い、ノウハウを伴った情報は、
ネットにはアップしません。
その情報自体が商売に関わるということ以上に、
「忙しくて」(時間をロスすれば収入が減る)全部書いてられないからです。
(全てを詳細に記述して、本業を上回る収入が得られるなら、書くのかも知れませんが。)

その一部が、断片的に書かれていたり、
多くの人の憶測に伴って書かれているのが、
ネット上の情報だと思って下さい。

我々は基本的に、同じ専門家の意見を、
人とのコミュニケーションで聞きまくっています。
専門書で、「原理的なことから」調べるのも当然のことですし、
それを先輩方に聞くのも当然ですし、
そういう部分はネットには書かれていません。

メールでのコミュニケーションなどは、
・書く、一方的、という点で時間がかかる
・深い内容が分からない
ことから、やってられません。
当たり障りない情報や報告を、より大多数とシェアするには、
有効だと思いますが。


■我々の観点
しのごの言わずに、まず実物を、実際の音量で体験する、
ということは当たり前のことです。
数時間掛けて出向いて、いざオールドのギターを試せるという時に、
R社のトランジスタアンプしかない。
そういうことが有ろうが、それも分かった上で、
あらゆるケースを実際に体験することが重要です。

その際にも、とにかく他の意見を聞きます。
この音の
この部分が
これ使った場合に
他のアレと
どのくらい違い
この用途には
こうかも知れない
一方でこうだよね
何故だと思うか
その根拠は何か
じゃそこを抜き出してAB比較しようよ
・・・ということです。

弾いてるギターも、
ピックの使い方も、
好きなピックアップも、
何から何まで違うものです。
「良い音」が人によって違うのは当然ですが、その中でこそ、
他の価値観や聴いているポイント、重視するポイントが、
分かって来るものです。
もちろん、カスタムでワンオフで製作する際などに、
それ無しでは「決して有り得ません」。

「ピッキングレスポンス」と一概に言っても、
人、ギター、弾き方、ゲインによっても変わります。
その場合、例えば、「相手のセッティングで、同じ弾き方で」試さないと、
追求出来ない場合も有ります。
逆に、「イメージから言えば、そのピックアップ合ってないんじゃない?」
「こういうピックで、こういう弾き方したほうが良いんじゃない?」
ということでも、当然のこととしてやり取りします。

アンプエンジニアもそうやって、
プレイヤーとしての観点を磨かなければ、
ちゃんとした追い込みは出来ません。
簡単に言えば、すべては、
「実際の音と、人間の認識と、物理との、差分を取る行為」だからです。


■最後に
とにかく体験していると、
印象を覚えておくとか、
知識として蓄えるよりも先に、
「身体が覚えて」しまいます。

古い職人的な価値観かも知れませんが、そういうものです。
「知識」「背景」などは、その体験の、土台の上に有るものです。
その土台なしに何をやっても、頭でっかちになるだけで、
それは、分かる人には簡単にバレます。
(もちろんそれでこそ、独自かつ変てこな物が、生まれる場合は有ります。)

とにかく人と、実際の体験が重要です。


■補足
と・・・長く説明しましたが、本来(?)ならば、
「~です」と言われなくとも、そう認識せずとも、
自然にやることです。

誰が言おうが、誰が止めに入ろうが、
それをやってしまうんだから仕方無い。
現時点で、1割も出来たとは思っていない。
果てに、まだまだ壮大な夢が有る。
その中の一部がプロとして食べている、
結果、気付いたらここまで来ていた。
振り返ってみたことを説明したらこうなった、
というだけのことです。

やらない人はやらない。
やらないから、やはり安直にネット頼りになる。
ばかりか、ネット上の世論の形成のされ方を見ていると、
「やらない人=多数派=正しい」、かのようになり、
自分のような存在は「あくまで特殊な例」とされる」傾向も有ります。
そうなると、プロも、ミュージシャンも、全て終わりですが・・・

それを「否定」している訳では有りません。
すべては貴方が選択しているだけのことです。
が、上記のような観点が、今の時代に価値を持つかも知れない、
と思いましたので書きました。

2015.01.24

0 件のコメント:

コメントを投稿